人類学の一つ、「医療人類学」の定義では健康、治療、環境への適応、そこに文化社会的研究があります。
医療人類学の前身となった研究を行ったのが、イギリスの社会人類学者、医者であるウィリアム・リバース。彼の著書である「Medicine,Magic and Religion」は現在の医療人類学の研究の基本となっています。
その後、様々な医療人類学者や医師が世界の様々な地域で研究をしているのだけれど、何が言いたいかというと、(病気や怪我で治癒を目的とした)神社での神頼みも医療人類学的には日本の多次元医療システムに入るのです。(日本における多次元的医療の研究は医療人類学者であるロックや大貫が発表しています。)
もちろんアメリカにはアメリカの多次元医療システムがありその中には宗教的ヒーリングなども含まれます。
国や地域によっては、呪術的なものが医療の一つとして存在するのです。
スピリチュアル=胡散臭いと思われても仕方のない部分もありますが、古代から近代、現在に至る人類の医学、医療システムの一つとしてあるのです。
治療(cure)と癒し(heal)、病い(Illness)+疾病(disease)=病気(sickness)。
医学の種類は、西洋医学、中国伝統医学、アーユルヴェーダ、ユナニ医学、チベット医学。もちろん、世界には様々な医療体系があります。
医師で医療人類学者であるクラインマンはヘルスケアシステムの3つのセクターを説明しています。民間セクター(popular sector)、民族セクター(folk sector)、専門職セクター(professional sector)。
民間セクターには、最初に病気と認知され、自己治療、セルフメディケーション、身近な人たちからのアドバイス、自助グループなどが当てはまり、病気のおよそ7−8割はこの民間セクターで対応しています。しかし、対応できない場合に、民族セクター、専門職セクターへ、となるのです。
専門職セクターはいわゆる医師、看護師、薬剤師、理学療法士など、合法的に認められた治療専門職。
民族セクターは、専門職セクター以外の治療を職業とする治療家、宗教的な治療(シャーマニズム、儀式など)世俗的な治療(マッサージやハーブ)その他、様々なセラピー(ヨガ療法、アロマセラピー、音楽セラピーなど様々なもの)など。
日本においては、この民族セクターに、鍼灸や漢方、カイロプラクティック、ホメオパシー、カウンセラー、ヒプノセラピー、ヒーラーなど様々なセラピーやヒーリング、しいては占いやシャーマニズム、神社で治癒を願ったり、お祓いを受けることもこのセクターに入ります。
日本で学んだ時もそうでしたが、カナダ、アメリカでマッサージやセラピーを学ぶと同時に必ずbody, mind, spiritについても学びます。
私たちは心も身体も健やかに過ごしたい。そのための選択肢は多種多様。
だからと言ってスピリチュアルを盲信せず、自身の心の目でしっかり見て判断して欲しいところでもあります。